(adsbygoogle=window.adsbygoogle||[]).push({}); 住民は誘拐の容疑者として水商売をしていた美女『江藤早奈江』を怪しんだが、証拠不十分で逮捕には至らなかった。, 裁判では少年誘拐の容疑についても追及されたが、早奈江は最後まで黙秘を貫き無罪判決を勝ち取った。, また、江藤早奈江の現在の居場所を知っている人間がいるとすれば、早百合において他はない。, 弟と家族、そして自分の人生を狂わせた事件の真相を知るため、一希は早百合に接触する。, 「本当のこと? 本当のことっていったい何なんだよ? だってさ、だって……全部、全部……あんたが悪いんだろ?」, 見失った場所は江藤早奈江の住むアパートの前だったが、卓巳がその中に入っていったかは不明。, 警察は保険金殺人の線で早奈江を起訴したが、状況証拠しかなかったため、裁判は無罪判決で幕を閉じた。, 目撃者の証言によれば、火事の夜、燃え盛る家の前で立っていた江藤母娘はまるで火事を予知していたかのように他所行きの服を着ていて、荷物もまとめられていた。, 損傷が激しくDNA鑑定は不可能だったが、火事のずっと前に亡くなった人間の骨であることは明白だった。, 卓巳失踪事件から高田幸男宅火災までの11年間で、江藤母娘の周囲からは3人の男が姿を消している。, 男たちはそれぞれ早奈江と知り合って1年以内に300万円~1500万円の金を早奈江に貸していた。, そのうちの1人、早奈江に1500万円貸した不動産会社社長の林克之については、失踪当日の朝に12歳から15歳くらいの、背の高い痩せ型の少女と山に入っていく姿が複数の町民から目撃されている。, 裁判が無罪判決だったことからもわかるように、早奈江が3つの事件の犯人だったという決定的な証拠はありません。, 2.しかし、想定よりも早く警察と母親が家のドアを叩き始めたため、焦った早奈江は大声を出されないよう卓巳の口をタオルで塞いだ。, 3.無我夢中で卓巳の口を封じているうちに時間が経過し、早奈江が気がついたときには卓巳は絶息していた。, この仮説によれば、卓巳が命を落としたのは事故というか、早奈江の計画の範囲外だったということになりますね。, 早奈江は事件後すぐに夜逃げしていますが、これも家賃滞納から逃げるためというより、疑惑の目から逃れるためだったと考えたほうが自然でしょう。, 早奈江はもともと地域の中でも浮いた存在であり、卓巳の母親からも容疑者扱いされていましたからね。, そのまま住み続ければいつかは部屋に踏み込まれて卓巳の遺体が見つかっていたかもしれませんし……。, 早奈江が逃げてからも大規模な捜索は続けられましたが、卓巳の遺体は発見されませんでした。, 下手に遺体を捨てたり処分したりしようとすれば、そこから犯行が明るみに出ることにもなりかねませんし、ひとまずは夜逃げ先の町に持っていったのではないでしょうか。, 早奈江は保険金殺人と同時に卓巳の事件の証拠隠滅を図っていたということになりますね。, 高田幸男の命を奪うためにわざわざ目立つ放火という手段を選んだのも、卓巳の遺体を燃やすという目的があったからだと考えれば納得できます。, 言うまでもなく有罪判決のためには決定的な証拠、あるいは証言が必要不可欠だからです。, だから、読者としてもここまでの情報からは「たぶん早奈江が犯人だろう」としか判断できません。, もし早奈江の罪を決定づけられる証拠があるとすれば、それは犯行の目撃者である江藤早百合の証言のみ。, 「火事の日、ババアはあの子が入った袋に火をつけたんだ。私はただ、見ていることしかできなかった……」, もちろん早百合が嘘をついている可能性もあるのですが、こんな嘘をつく理由も特にないですし、この証言をした状況的にも信ぴょう性は高いと判断してもよさそうです。, 最初は「虐待を受けていた娘」として被害者の1人のような立場だったと思われていた早百合ですが、『消えた3人の男』の事件では被害者と一緒に山に入っていく姿が目撃されており、最終的には早奈江の共犯者になっていたことがわかります。, 作中で明言されているわけではないのですが、私はそもそも卓巳を誘拐して身代金をとろうと持ちかけたのは宅間だったと考えています。, 1.30年前、早奈江はある男に惚れこんでいた。早奈江は男のことを「先生」と呼んでいた。, 2.早奈江の生活は行き当たりばったりで、決して頭がいいタイプではなかった。それなのに卓巳の事件以降、早奈江は見事な気配りで足跡を消している。, つまり、宅間の正体はかつての「先生」であり、早奈江を利用して金を手に入れていたと考えるのが自然なんです。, 早奈江が痕跡を残さずに『空白の11年間』を過ごしてこれたのは、宅間の入れ知恵があったから。, 一見、「良い身なりをしていたオーラのある男」と評されていた先生と、飲んだくれで早百合のヒモになっている宅間が同一人物だとは思われませんが、海氷島のスナックでママに「宅間さんは頭がいいのよ。大学院を出ているの」と言われていたり、木立に「家の外での宅間は別人のように人当たりがいい」と評されていたり、「先生=宅間」を思わせるポイントはいくつかあります。, 物語の終盤、宅間とスナックで意気投合していた成金の男が行方不明になるという事件が起こるのですが、これは明らかに《早奈江の周りで消えた3人の男》と同種の手口です。, 早奈江を利用して人の命と金を奪っていた宅間は、今もなお早百合を操って同じことを繰り返している、ということですね。, 木立は「宅間が働きもせずに毎日飲んだくれていられるのは、早奈江から高田幸男の保険金の一部を受けとったからだろうか?」と推測していましたが、金の出どころはそれだけではなさそうです。, 宅間は生活費を早百合に稼がせていますし、夜は性欲のはけ口として早百合を慰み者にしています。, 黒幕である宅間や、大人として宅間に従う意思決定をした早奈江と比べると、子どもの頃から虐待され続け、選択の余地なく人生も性格も歪めさせられてしまった早百合は哀れですよね。, 今でこそ「ヤベー奴」になってしまった早百合ですが、3人チームの中では唯一《被害者としての一面もある》という点で同情の余地があるように思われます。, それは「どうして木立省吾は江藤早奈江の事件を追いかけているのか?」ということです。, どちらも古い事件ですし、とりたてて世間の注目が集まる事件というわけでもありません。, 手始めに毎月振り込んでいたアパートの管理費をすべて凍結しました(高田家が裕福な家だったことがわかります), 「これ以上、幸男から金を搾り取ることはできない」と判断した早奈江の犯行だとしか考えられません。, 宅間と早百合による犯行だと察した木立は、2人が留守の隙を狙って家の裏庭を掘り返すことにした。, それでも掘り続けていると、やがて大きな筵(むしろ)で覆い隠された深く大きな《穴》が出てきた。, しかし、穴の土壁をよく見てみると、服の切れ端らしきボタンがついた布が埋まっている。, 「……十九時頃、海氷島の平屋から出火し、六十代と見られる男性の遺体が発見されました……平屋の庭から、タカダショウゴさん三十八歳と見られる男性の遺体も発見され、延焼した裏山は……鎮火しました。県警は、同居人の三十代の女性の行方を追っています……」, やや曖昧な部分のある結末ですが、限られた情報をもとに推測すると、次のようなことが起こったのだと思います。, 木立が庭の《穴》の土壁に服の残骸を見つけていたことから、宅間は庭(もしくは裏山)に埋めることで遺体を処理していたのではないかと考えられます。, ニュースで触れられていなかったので、最近始末した成金男の遺体は裏山の方に埋めていたのかもしれませんね。, 木立自身、とっさに口をついて出た言葉だったようですが、これはかなり的を射た指摘だったのではないかと思います。, つまり、現在行方不明の江藤早奈江はすでに宅間と早百合によって始末されていたわけです。, ※早奈江が始末されたタイミングや埋められた場所は不明。島に来る前に始末されてどこかの山に埋められたのかもしれませんし、遺体として島に運び込まれて庭(あるいは裏山)に埋められたのかもしれません。, かつて妖艶な美女だった早奈江が老いる一方で、子どもだった早百合は成熟した女性へと成長していきます。, 宅間にしてみれば早百合さえいれば(いろんな意味で)十分になったため、早奈江を始末したのでしょう。, 早奈江は宅間に惚れていた節があるので、宅間が自分から娘に乗り換えるなんてことを許すはずがありません。, 宅間としては何をしでかすかわからない早奈江の口を封じるためにも、命を奪う必要があったわけです。, あるいは単純に、宅間としては有限である保険金を早奈江と山分けするのではなく、独占したくなったのかもしれません。, それに、宅間としては早奈江さえ始末すれば気を遣わずに自由に生活することができるわけですし……考えれば考えるほど「江藤早奈江はすでに宅間によって始末されている」という想定が補強されていきます。, 宅間が巻き込まれるように家に火をつけたのは、間違いなく行方不明中の早百合でしょう。, ただひとつ疑問があるとすれば「なぜ今、このタイミングで?」ということですが、これは一希との出会いがきっかけになったのでしょうね。, 我を忘れて早百合の命を奪いかけるほどの一希の情念に接して、早百合の中にどんな思いが芽生えたのかはわかりません。, いずれにせよ一希との出会いによって、早百合の心境には何らかの変化が生まれたのでしょう。, 歪んではいますが、ある意味ではここからやっと早百合の人生が始まるのかもしれないな、と思いました。, だって、30年前の事件において、一希はただ『卓巳を見失った兄』だったわけで、責任を負わされるような立場ではなかったはずですから。, 当時10歳だった一希は、甘え上手である卓巳の方が町の人々から、そして何より母から愛されていたことに気づいていました。, しかし、郵便受けの隙間から見た光景……早奈江に抱きかかえられて嬉しそうに笑っている卓巳の姿を見た瞬間、一希の我慢は限界を迎えました。, なぜなら、一希は母とは真逆の美しさを兼ね備えた早奈江のことが大好きだったからです。, 名士の家に嫁ぎ、堅苦しい生活に心身をすり減らしている母とは違って、自由で奔放な早奈江。, だから、早奈江の部屋の中の光景を目撃したとき、一希は母を二度奪われたような、自分の女を二度盗られたような狂おしい嫉妬に駆られたのです。, 4.卓巳が消えたことで白川家は崩壊。いつしか一希は自らの記憶を改ざんし、「あの日は本当に卓巳の姿を見失っていた」と思い込むようになっていた。, 「もう戻るつもりはなかった」という一文から、おそらくそのまま命を捨てるつもりなのだろうと推察されます。, 一希にしてみれば、まさか「弟がどこに行ったのかは知らない」という小さな嘘がこんな大ごとになるとは思いもしなかったことでしょう。, では、なぜ母親が卓巳をひいきしていたのかといえば、古めかしい旧家のルールを強いる義母への不満を、一族の長男である一希にぶつけていたから。, つまり、田舎に特有の陰湿な空気、相互監視的な風習すらも、卓巳の事件の遠因といえるわけです。, ただ、一希にしてみれば「嘘をついた」ことはもちろんですが「記憶を改ざんして被害者ぶっていた」ことが何より許せないのでしょうね。, では、卓巳は何故「友だちの家に行ってくる」という嘘までついて早奈江の家に行ったのでしょうか?, 「友だちの家に行く」という嘘が自発的なものだったのか、早奈江からの指示だったのかはわかりませんが、ともかく卓巳は「母親から止められること」と知りつつ早奈江の家に行くことにしたわけです。, きっと一希と同じように、卓巳もまた母親にはない魅力を持った早奈江のことが好きだったのでしょう。, おそらく早奈江は最初から卓巳を誘拐するつもりで、その準備段階としてまずは一希に声をかけたのではないでしょうか。, それは、長男である一希よりも母親から愛されている卓巳のほうが人質としての価値があるという(宅間の)判断によるものだったのでしょう。, つまり、皮肉なことに一希は母親から冷遇されていたからこそ誘拐の標的にならずに済んだということになります。, あのアパートに降る雪だけは、なぜか赤かった。この地域は全国的にも記録的に降る。豪雪を溶かすために敷地には何本もの水道管が設置されて、古管から流れた錆び水が、敷地全体を見事な赤色に染め上げていた。, ヒューマンサスペンスですし「赤=血」という連想をしていたのですが、実際には事件が起こったアパートの特徴を示したタイトルだったんですね。, ※配信情報は2020年6月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。, もらえるポイントを使えば、最新作(レンタル作品)でも課金なしで見ることができます。, ※31日間のお試し期間中に解約すれば支払いはゼロ円! 後味が悪すぎます! 鑑賞後は、なんとなく胃が痛くなりますので、食事は避けた方がよろしいかと…。 それに彼女の初デートとかに観に行く映画では無いのでご注意を。 このいかにも「何か重大な真実が隠されています」という感じのシリアスな雰囲気がたまりませんよね! 今回は映画「赤い雪」のネタバレ解説・考察をお届けします! このいかにも「何か重大な真実が隠されています」という感じのシリアスな雰囲気がたまりませんよね!. 愚行録 - Wikipedia. 愚行録の見どころ・ネタバレ. 作品情報; あらすじ&鑑賞前感想 愚行録=僕と私のクズエピソード. 「愚行録」単なる露悪的なカリカチュアを越えた、確かなリアリティが息づいている 直木賞候補に選ばれた貫井徳郎の同名ミステリーの映画化で、迷宮入りとなっている一年前に起きた一家惨殺事件の真相を、週刊誌記者の田中武志(妻夫木聡)が関係者の証言からあぶりだしていく。 少なくとも、「善き人、善き行いをする人」であろうとしている人がほとんどでしょう。そして、自分が「正義」と思っていることの反対をする人のことを、苦々しく思います。, たとえば、今話題になっている「煽り運転」もそうです。自分はきちんと運転している、それを邪魔するものは悪だ、と思うがゆえに、見ず知らずの人を罰しようとしてしまいます。, 他にも、とりとめなく話した噂話が、他人を深く傷つけることもありますし、全く悪意のない言動が他人の怒りを生むということもあります。, 今回ご紹介する映画は、破滅した家族から見えてくる人々の善意、悪意、計算をこれでもかと詰め込んだ「イヤミス」の頂点、貫井徳郎原作の「愚行録」です。, 愚行録を無料で視聴してみる 借りっぱになっていた愚行録。映画オフ会で聞いた評判に後押しされて、ようやっと見ることができました。 ここから先は 愚行録 の感想です。ネタバレしてます!! 愚行録 - 作品情報. そして、意外なところから、妹・光子と彼女たちとのつながりが見えてきて…, キャッチコピーに、「仕掛けられた3度の衝撃」というものがあります。もうこれだけで、興味がわいてくるわけですが、同時にいくつか「謎」な部分というか、作中ではっきりと語られない部分もあります。, この作品は一家惨殺事件という、起こってしまった出来事から過去へさかのぼる形で描かれています。, いわば、謎解きというわけですが、その中で「え!そうなの?!」という驚くべき事実が明らかになります。しかし、実際には「映画を見ただけでは気づけない」衝撃もあります。, 実際、はっきりとどれがその3度の衝撃なのか、は明かされていませんが、ここではあえて、「一度見たけどよくわからなかった」人へ、私なりのヒントを出してみます。, いずれも物語の終盤に集中していますので、怒涛の展開になってしまうわけですが、その中で「田中の行動の真意」は、映画だけだと別の解釈で終わってしまう可能性があります。, ネタバレになりますが、この田中がとった行動というのは、取材の過程で知り合った宮村淳子を殺害してしまうことを指します。, しかし、「なぜ、殺したのか」が重要な意味を持ちます。私は当初、宮村淳子が田中の妹と知らずに光子のことを馬鹿にするような発言をしたことが逆鱗に触れたのかと思っていました。, ただ、妹が宮村や殺害された友希と同じ大学にいたことを兄が知らなかったはずはなく、にもかかわらず突然に光子の話が出てくる時点でちょっと引っかかるものがありました。, また、宮村淳子を殺害した後に、まるでこうなることがわかっていたかのように偽装工作をしたのも気になりました。, そもそも、田中は話題性もないこの「田向家一家殺害事件」をなぜ取材しようと思ったのでしょうね?, 実は、そこに田中の「真の目的」が隠されているのです。その真の目的が分かった時こそが、一番の衝撃といえるのです。, それは、考えもなしに行った軽はずみなこと、計算しつくした上でのこと、善意のつもりでやったこと、などなど形は様々ですが「結果的に」愚かな行いになってしまった、そんなことが含まれています。, 数々の愚行は、田中が取材をする中で見えてきます。それらは、特別な行為でもなんでもなく、日常のいたるところであふれかえっているようなことばかりです。, 小出恵介扮する田向は、利用できるものは何でも利用するのが当たり前、と言ってはばかりませんが、その結果手に入れたのは「安酒で日々のうっぷんを発散するだけの普通のサラリーマン」です。, 彼の妻、友希も、大学時代自分の地位を確保するため計算高く立ち回ってきた女性で、そのためならば女友達も利用するほどのなりふり構わぬ行動の果てに手に入れたのは、郊外の小さな一戸建てと、エリートとは程遠い普通の夫でした。, そんなお世辞にも善人とはいえない田向の同僚・渡辺は、取材に来た田中に対し、田向と共謀してした女性社員への卑劣な話を武勇伝としてきかせます。そして直後、「あんないいやつがなんで殺されんとあかんのや」と号泣するのです。, 『 #愚行録 』で田向浩樹役を演じられた小出恵介さん、本日バースデーこれを記念して映像を解禁!〜男たちの喫煙所編〜「会ってその日にやっちゃう子なんて嫌だよ。そんな軽い女」➡︎ https://t.co/dKZMhusSqm #小出恵介 #眞島秀和 #映画 pic.twitter.com/zRqKq0rYez, 彼らは田向夫妻についていろいろと語るわけですが、それらはすべて自分を語ることへと通じています。, 込み合ったバスの中、座っている田中に1人の男性が「立っているお年寄りに席を譲れ」と詰め寄ります。田中は言い返すこともなく立ち上がりますが、おもむろによろけ、転びます。そして、肢を引きずりながらバスを降りて行くのを、周りの人は「この人は身障者だったから座っていたのか」と見ており、バスの中から先ほどの男性がバツの悪そうな顔をして見送っています。, 田中は、わざと身障者のふりをして、善意を振りかざしてきた男性に仕返ししたわけです。バスが過ぎると彼は何事もなかったかのように歩き出します。, このように、登場人物のありとあらゆる言動が第三者のフィルターを通してみることで、「愚行」が際立って見えるのもこの映画の見どころのひとつです。, たとえば生まれ育った家の経済格差や、家族のかたちなど、自分の努力ではどうしようもない「不公平」というものがあります。, しかし、たとえ貧困の中に生まれようと、努力次第で格差を解消していけますし、そのために人は勉強し、働き、自分を磨いていくわけです。, ただ、どんなに努力してもみんながみんなオリンピックには出られないのと同じで、埋められない格差も当然存在しています。, 多くの人は、それらをなんとなく理解し、嗅ぎ分け、自分の手の届く範囲で格差を埋めようとするのですが、一部にはその範疇がわからない人もいます。それが、この物語の中にいる「光子」です。, たとえば殺害された田向の妻・友希も、いわゆる「内部進学」がある大学に「外部生」として存在していました。ざっくりいうと、内部進学の人はいわゆる「幼稚園から慶応」みたいな人であり、それなりの経済力と家柄を持っていると考えてください。反面、外部生は、大学から入ってきた人であり、外部と内部には見えない高い高い壁があるのです。, 友希は美貌を武器に内部の男子学生と親しくなり、その手土産として「内部の男子学生が絶対に恋人にしない」であろう「母子家庭の外部生」である光子を差し出します。光子は、薄々自分の立ち位置に気づいてはいますが、それでも自分が育ったのとは違う家庭を築くことを夢見て、その立場を甘受します。, そうすることで、そうすることでしか、のし上がる術はなかったのです。もっと言えば、そうすればのし上がれると信じていたのでしょう。 【ストーリー】貫井徳郎の同名ベストセラーを妻夫木聡、満島ひかりほか豪華キャストで実写映画化したミステリー・ドラマ。一人の週刊誌記者が未解決の一家惨殺事件の真相を追う中で、理想の家族と思われた被害者一家の意外な評判が明らかになっていくさまを描き出す。 (※U-NEXTは31日間の無料お試し期間あり), 郊外の新興住宅地に住む田向(たこう)(小出恵介)とその妻・(旧姓・夏原)友希(松本若菜)と娘の3人が、何者かによって殺害された事件は、1年経過してもいまだ未解決でした。, 雑誌記者の田中(妻夫木聡)は、その事件を取材していますが、実は実妹・光子(満島ひかり)が育児放棄で逮捕されており、心の中にはいつもそのことがあります。, 田中が取材をしたのは、田向の同僚・渡辺(眞島秀和)、学生時代の元恋人・稲村恵美(市川由衣)、友希の学生時代の女友達・宮村淳子(臼田あさ美)とその元恋人・尾形(中村倫也)。, 彼らの話から見えたのは、一見、人当たりの良い幸せそのものの田向夫妻の「意外な過去」でした。 人間関係が複雑で、登場人物が多く、誰がどこまで 本当のことを言ってるのか、微妙なところですね。 原作だとよりたくさんエピソードが入っているのかもしれません。 取材をしながら、真相に近づいていく感じなんかは、 U-NEXT(ユーネクスト)は無料トライアル期間でもポイントがもらえるお得な動画配信サービスです。見放題の動画数は他の有... 動画配信サービス(VOD)には2週間~1か月程度の無料お試し期間があります。当たり前なんですが、期間内に解約すればお金は一切かか... ※配信情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。. しかし、卒業後偶然見かけた友希に無視されたことで、あそこまでしても自分は友希の立場にすら届かなかった、と、光子がギリギリ押し殺していた友希への恨みや不公平感が爆発してしまうのですね。, 友希にしてみても、結果として歴然たる不公平感は取り払うことは出来ていません。先にも述べたように、そこまでしても、手に入ったのは中流の普通の暮らしでしかなかったのですから。もしも自身が思い描いたとおりの生活を手に入れていたら、あの時光子を無視することはなかったでしょう。彼女は彼女なりに、必死だった部分もあったのです。, 冒頭の、妻夫木聡演じる田中が他人に押し付けられた善意と正義に強かに抵抗する場面は、田中の愚行であるわけですが、一方で、「若者が座っているのはけしからん」とする嘆かわしいほどの思慮のなさに起因する善意と正義も、立派な愚行であると私は思います。, また、田向が同僚の渡辺と共謀し、女子社員の一人をいいように弄ぶくだりがありますが、ゲス過ぎるふたり以上に、合コンであからさまに女子力アピールし、自分に気があるとみるや否や即、乗り換えた挙句、2人に去られる女子社員の「愚行」っぷりも見ものです。, 去り行く男に追いすがるエレベーターでのシーンは、思わず「にやり」としてしまうほど。, みな、自分で自分の話をするのではなく、自分が見た彼、彼女の話をします。そこには、あからさまな悪意はありませんが、言葉の端々、表情になんとなく表れるものですよね。そして、それを見た、聞いた第三者が、その人のことを今度は判断するのです。, 他人を語ることで、自分を知らず知らずのうちに曝け出しているということになるのですね。, 登場人物のそれぞれが、他人をどう見ているか、同じ事柄も語る人が違えばこうも違うのかとあらためて思い知らされます。, 映画「愚行録」は、現在U-NEXT、Amazonプライム、RakutenTVほかで取り扱いがありますが、いずれも課金扱いとなっていますので、ポイントやお試し期間などをうまく利用することをおすすめします。, 原作者である貫井徳郎さんの他の作品も、日常が崩壊していくサスペンスものが多く小説もおすすめです。, 「愚行録」自体も直木賞候補になっており、満島ひかりや妻夫木聡、そして近年注目株の中村倫也など演技派の俳優がそろっており、見ごたえは十分です。, 見終わった後にどんよりとして気分になるイヤミス映画「愚行録」、是非楽しんでください!, 【ネタバレ・あらすじ】ウォーキング・デッドに手を出すな!?抜けだせないその魅力とは?, 【あらすじ・ネタバレ】WOWOWオリジナルドラマ「坂の途中の家」あなたは共感できるか?, 【あらすじ・ネタバレ】日本版リメイクとどう違う?本家「SUITS」/スーツ」の人気の秘密. 映画『愚行録』の感想と評価 (c)2017「愚行録」製作委員会. (U-NEXTの無料トライアルについてもっと詳しく見る). キャッチコピーに、「仕掛けられた3度の衝撃」というものがあります。もうこれだけで、興味がわいてくるわけですが、同時にいくつか「謎」な部分というか、作中ではっきりと語られない部分もあります。