インフルエンザ、という名前は必ず一度は聞いたことがあると思います。 正式には「インフルエンザウイルス感染症」と呼びます。例年12月~3月頃に流行し、世間を賑わせていますよね。 インフルエンザウイルスは「一本鎖RNA」を持つウイルスで、単体では増殖することができませんので、ヒトを含む様々な動物に感染して増殖します。 インフルエンザウイルスは、構成するタンパク質の違いから、A型、B型、C型に分類されて … (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 プロフィール・運営者詳細 お問い合わせ・仕事の依頼 私の勉強法紹介 TwitterとFacebookでも配信中!インスタはくるみぱん氏とコラボ配信!, 薬剤師国家試験の薬理学に特化した医薬品の暗記帳です!薬学生の国試・CBT対策としておススメ。>>紹介記事, ●同効薬おさらい帳(2018年9月)新薬情報オンラインから、執筆に参加させて頂きました。>>紹介記事, ●コンテンツの作成・運営は製薬企業・保険薬局薬剤師・薬剤師国家試験予備校経験者が担当しています。, 2018年に政府は実質、副業を解禁しました。薬剤師の専門性を活かして短期間で稼げる副業3選について実体験を元に解説!. ゾフルーザは錠剤を1回投与するだけで治療が終了するため、既存薬で耐性ウイルスが生じた場合や、副作用が生じた方、吸入ができない方などの活用が期待されています。 図2 インフルエンザ治療薬一覧 今回は、インフルエンザウイルスの感染・増殖メカニズムと、インフルエンザ治療薬の一つである「ノイラミニダーゼ阻害薬」の作用機序についてご紹介します。また、他のインフルエンザ治療薬との作用機序の違いについても説明いたします。 ノイラミニダーゼ阻害... 2014年3月24日、「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分のものに限る。)」を効能・効果とする新しい抗インフルエンザウイルス薬であるアビガン錠(一般名:ファビピラビル)が承認されました☆ ... 耐性が認められた9.7%の患者さんは全て「A/H3N2株」であったことから、もしかするとその時に流行する株によってゾフルーザの耐性が問題視されるかもしれませんね。, ただし、12歳未満で体重10~20kgの場合、顆粒剤は使用できませんので注意が必要です・・・。この場合にこそ顆粒剤が必要だと思うのですが、、、今後に期待ですね!^^. ゾフルーザは、A型およびB型のインフルエンザ感染症に適応を持つ内服薬です。世界に先駆けて日本で発売された医薬品であり、「先駆け審査指定制度」において初めての審議対象医薬品となったものです。 それでは名前の由来です。ゾフルーザはXOFLUZAと表記されますが、これはinfluenza:インフルエンザをXO(ノックアウト)するということで、両者の下線部を組み合わせて命名されています。一般名はバロキサビル マルボキシルです。 2018 Sep 6;379(10):913-923. 「A型またはB型インフルエンザウイルス感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品であるゾフルーザ錠10mg、同20mg(一般名:バロキサビルマルボキシル)が2018年2月23日に承認されました!, 本剤は先駆け審査指定制度の対象品目であり、2017年10月25日の申請から僅か4か月と異例の早さでの承認で、日本が世界に先駆けて初の承認です。, その後、2018年9月19日に「顆粒剤」の剤型が追加されました!従って、現時点での剤型は以下の通りです。, ゾフルーザ(バロキサビルマルボキシル)は「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬」と呼ばれる新規の作用機序を有するインフルエンザ治療薬で、1回の経口投与で治療が完了するという特徴もあります。, 今回はインフルエンザウイルスの感染・増殖メカニズムとゾフルーザ(バロキサビルマルボキシル)の作用機序や特徴についてご紹介します☆, 既存のノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ)、ポリメラーゼ阻害薬(アビガン)との作用機序の違いや服用方法の違いについても記載していますので是非ご覧ください。, 正式には「インフルエンザウイルス感染症」と呼びます。例年12月~3月頃に流行し、世間を賑わせていますよね。, インフルエンザウイルスは、構成するタンパク質の違いから、A型、B型、C型に分類されています。, C型については一度感染すると免疫を獲得するため、大人ではかかりにくいですが、乳幼児に多いとされています。, 特にA型のインフルエンザ感染症では上記の症状(特に高熱)が強くみられる傾向があります。, 免疫力の低下している方や高齢者の方では気管支炎や肺炎など、症状が重篤化する恐れもあります。, また小児では中耳炎、熱性けいれん、急性脳症などを併発し、重篤になる場合があるため、注意が必要です。, そのため、毎年のインフルエンザワクチン接種の他、手洗い・うがい・マスク着用・加湿、といった日頃の生活で感染を予防することが大切です。, インフルエンザと思われる症状が発現した際には、まずは医療機関を受診して診断することが重要です。, インフルエンザであった場合、医師がその必要性を判断し、抗インフルエンザウイルス薬が処方されます。また、水分を十分に補給し、睡眠を十分にとることも大切です。, インフルエンザウイルスは「一本鎖RNA」を持つウイルスで、単体では増殖することができませんので、ヒトを含む様々な動物に感染して増殖します。, インフルエンザウイルスがヒトに感染する場合、以下の図のようなプロセスで感染・増殖します。, インフルエンザウイルスは、ヒトの粘膜上皮細胞にある「シアル酸レセプター」と呼ばれるところに結合(“吸着”と呼びます)し、そこからヒト細胞内に取り込まれます。, ヒト細胞内に取り込まれたウイルスは、今度はウイルスを包んでいたヒト細胞の膜とウイルスの殻の部分を融合させ(“膜融合”と呼びます)、ウィルスの殻が破れることで(“脱殻”と呼びます)、ウイルスのRNAがヒト細胞内に放出されます。, 通常、ヒトのDNAは「転写」によってmRNAが作成され、mRNAの情報を「翻訳」することでタンパク質が合成されます。, ※転写:DNAまたはRNAからmRNAを合成すること ※翻訳:mRNAからタンパク質を合成すること, インフルエンザウイルスのRNAは非常に単純な構造のため、そのままでは翻訳が開始できません。, 少し難しく言うと、RNAの頭の部分に「キャップ構造(5'キャップ)」と呼ばれるものが存在しない限り、翻訳は開始されません。, 従って、インフルエンザウイルスは自身のRNAからキャップ構造を持つmRNAを作成する必要があります。, そこで、インフルエンザウイルスはヒトのmRNAのキャップ構造を認識し、「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ」と呼ばれる自身のタンパク質によって切断して自分のRNAに結合させます。, エンドヌクレアーゼによってヒトのmRNAからキャップ構造を奪い取るイメージですね。, このキャップ構造を起点(プライマー)として転写が開始され、インフルエンザウイルスが元から持っている「RNA依存性RNAポリメラーゼ」によって伸長反応が促されます。, 伸長反応の最後には「ポリA鎖」と呼ばれるmRNAの安定性に関わるものも付与され、ウイルスRNAからウイルスmRNAの転写が完了します。, 一方、RNAの複製反応は、不明確なことが多いとされていますが、インフルエンザウイルスが元から持っている「RNA依存性RNAポリメラーゼ」によって、自身のRNAの複製が行われると考えられています。, このようにして出来上がったウイルスタンパク質とウイルスのRNAが合わさって、インフルエンザウイルスが完成します。, このプロセスを繰り返すことで、ヒトの細胞内ではインフルエンザウイルスが増殖し続けます。, ヒト細胞内で増殖したインフルエンザウイルスは、最後にヒト細胞から離れ、また他の細胞に感染していきます。, 遊離する直前には、ヒト細胞の表面に盛り上がって突起(“出芽”と呼びます)となっており、シアル酸レセプターに繋がれている状態です。, このままでは細胞から遊離できませんので、インフルエンザウイルスは「ノイラミニダーゼ」と呼ばれるタンパク質によって、シアル酸レセプターを切り離します。, これにより、ヒト細胞からインフルエンザウイルスが遊離され、また他の細胞に感染していきます。, 「ウイルスのmRNA合成」の項で前述のように、ウイルスmRNAの合成開始時には、「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ」を使用してヒトmRNAから「キャップ構造」を奪ってきます。, ゾフルーザはmRNA合成の開始に関わるキャップ依存性エンドヌクレアーゼを選択的に阻害する薬剤です!, これによって、ウイルスはmRNAを合成することができなくなり、当然タンパク質も合成することができなくなりますので、ウイルスは増殖できなくなってしまいます。, このように、mRNA合成の開始に関わるエンドヌクレアーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制するのがゾフルーザです!, また、ゾフルーザは1回のみの経口投与で治療が完了するため、非常に利便性が高いと思います。, 本試験は12歳以上のインフルエンザ患者さんを対象に、 ゾフルーザとプラセボとタミフル(タミフルは20歳以上限定)を比較する第Ⅲ相臨床試験です。1-2), このようにゾフルーザは無治療(プラセボ)と比較してインフルエンザの罹病期間を有意に短縮しており、また、タミフル(一般名:オセルタミビル)と比較すると同程度だったようです。, 一方、体内からインフルエンザウイルスが検出されなくなるまでの期間については、無治療(96時間)やタミフル(72時間)と比較してゾフルーザ(24時間)で有意に短かったとのことです。, ただし、症状が治まったとしても学校や職場への復帰時期については医師にご相談ください。基本は熱が治まってから2日間(かつ発症から5日間)は外出できませんのでご注意ください。, その他、12歳未満の小児を対象としたT0822試験3)、ハイリスク因子を有する12歳以上を対象としたCAPSTORN-2試験3)でもプラセボに対するゾフルーザの優越性が確認されています。, ゾフルーザの主な副作用に下痢やALT/AST上昇がありますが、全体的な頻度は臨床試験1-2)においてタミフルよりも少なかったと報告されています。, ただし、新規の作用機序を有することから、予期せぬ副作用の発現には注意が必要かもしれません。, 2018年9月19日時点では、「12歳未満で体重10kg以上20kg未満」の場合、顆粒は使用できないようですので注意が必要です。, 20mg錠剤と顆粒1g(バロキサビルマルボキシルとして20mg)の生物学的同等性3)が確認されたため、今回の顆粒剤承認に至っています。しかし、10mg錠剤と顆粒剤の生物学的同等性は特に検討されていない(今後検討?)ため、10mg錠剤の代わりに顆粒を使用することはできません。, 本剤の投与は,症状発現後,可能な限り速やかに開始することが望ましい。[症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。], ノイラミニダーゼ阻害薬では「2日以内に投与を開始すること」とありましたが、ゾフルーザではそこまでの限定はなさそうです。, しかし、ゾフルーザの臨床試験1-2)は「インフルエンザ発症から48時間以内の患者さん」を対象としていましたので、臨床試験に準じて48時間以内に開始した方が良いと思われます。, ノイラミニダーゼ阻害薬は増殖したウイルスの拡散を抑制しますが、ゾフルーザやアビガンはウイルスの増殖自体を抑制します。, タミフル(一般名:オセルタミビル)に代表されるノイラミニダーゼ阻害薬は「③細胞からの遊離」に関与している「ノイラミニダーゼ」を選択的に阻害する作用機序を有しています!, シンメトレルは、インフルエンザウイルス感染初期の「脱殻」を選択的に阻害する作用機序を有した薬剤です。, 耐性の問題や、A型インフルエンザウイルスにしか使用できないため、近年ではあまり使用されていません。, アビガンは「②mRNAの合成とRNAの複製」に関与している「RNA依存性RNAポリメラーゼ」を選択的に阻害する薬剤です。, mRNAの伸長反応とRNAの複製を共に阻害できるため、ウイルスの増殖を抑制することが可能です。, しかしながら、アビガン錠は「緊急事態と国が認めた場合限り使用できる」という異例の条件付きの承認のため普段は使用できません。, シンメトレル錠とアビガン錠はインフルエンザ治療薬としてほぼ使用されていませんので、ノイラミニダーゼ阻害薬とゾフルーザの比較を以下に一覧としてまとめています。, 通常でしたら2018年5月収載予定でしたが、季節性インフルエンザということや、先駆け審査指定制度の対象品目でもあることから、2018年3月中に緊急収載されることになりました。, 元々、ゾフルーザの作用する「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ」は遺伝子の変異が起きにくいとされていたため、ノイラミニダーゼ阻害薬より耐性が少ないと考えられていました。, しかし前述の臨床試験(CAPSTONE-1試験)ではゾフルーザの感受性低下(耐性)が9.7%に認められており、プラセボよりもウイルス検出期間が長いという結果でした。2), 各臨床試験に対する耐性の割合は以下の通りでした(%数値は例数から私が計算したもの)。3), バロキサビルマルボキシルは体内に投与されると、血中・小腸・肝臓などで加水分解され、活性成分の「S-033447」に変換されます。, ゾフルーザはキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害という新規の作用機序を有しており、単回経口投与で治療が完了できるため、今後広まっていく治療薬になるのではないでしょうか。, 2018年9月には顆粒剤の剤型も追加されました!小児ではなかなか錠剤が飲み込みにくい場合もありますので、顆粒剤は服用しやすいのではないでしょうか?, 以上、本日はインフルエンザウイルスの感染・増殖メカニズムとゾフルーザ(バロキサビルマルボキシル)の作用機序についてご紹介しました!, どこに登録したらいいのか悩むことも少なくありません。そんな転職をご検討の薬剤師さんに是非見ていただきたい記事を公開しました。, 上手に活用してあなたの希望・条件に沿った【失敗しない転職】を実現していただけると嬉しいです!. Copyright (C) Shionogi & Co., Ltd. All Rights Reserved. N Engl J Med. ゾフルーザ(バロキサビルマルボキシル)は「 キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬 」と呼ばれる新規の作用機序を有するインフルエンザ治療薬で、1回の経口投与で治療が完了するという特 … ゾフルーザ(バロキサビル)の作用機序・類薬との使い分 け【インフルエンザ治療薬】 厚労省は2018年2月23日、「A型またはB型インフルエンザウイルス感染症」 を効能・効果とする新有効成分含有医薬品であるゾフルーザ錠10mg、同 図1 ゾフルーザ作用機序. ゾフルーザの作用機序. Copyright© 新薬情報オンライン , 2020 All Rights Reserved. ゾフルーザは、キャップ型エンドヌクレアーゼ阻害剤という薬です。 ウイルスは、感染した細胞の機能を利用して増殖します。このとき、ウイルスの遺伝情報はmrna(メッセンジャーrna)にコピーされます。 ボキシル(ゾフルーザ®)40mg/回、1 回内服(PCR 陽 性日をday1 とした場合のday4)、ARDS の抑制薬と してmPSL 500mgのミニパルス療法3 日間(day4-day6)、併発する細菌感染としてLVFX 500mg/回内 服(day4-day8)を開始した。なお呼吸不全は認めず酸 素吸入は使用しなかった。 バロキサビル マルボキシル活性体は,a型及びb型インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を選択的に阻害する。 2019å¹´6月28日「医療関係者会員向けサービスの個人情報取り扱い規約」を改定しました。, 医療用医薬品、臨床検査薬・臨床検査機器は、患者さんの独自の判断で服用(使用)中止したり、服用(使用)方法を変更すると危険な場合があります。, 服用(使用)している医療用医薬品について疑問を持たれた場合には、治療に当たられている医師・歯科医師または調剤された薬剤師に必ず相談してください。. ゾフルーザ: 一般名: バロ ... 図2 12 歳未満の小児 ... 作用機序. 師の方は、m3.com-提携企業一覧からも会員向けコンテンツ(一部の会員特典コンテンツを除く)をご覧になれます。. ルのウイルス薬剤感受性), 社内資料(実験室分離株を用いたin vitro耐性分離試験). 医療用麻薬等の情報のほか会員向けコンテンツをご覧になるには、「会員登録」が必要です。 ※当社提携サイトm3.com会員で、医師・歯科医師・薬剤師・看護師の方は、m3.com-提携企業一覧からも会員向けコンテンツ(一部の会員特典コンテンツを除く)をご覧になれます。